訪問介護における各雇用形態での平均給料

正社員

厚生労働省が発表した資料によると、令和3年度の訪問介護職（正社員）の平均給料は常勤で31万4,590円、非常勤で20万1,120円でした。

ただし、正社員とはいえ、非常勤も正社員に含まれる場合があることに留意しましょう。

パート職員

パート職員で給与が日給払いの場合、平均給与は常勤で26万2,650円、非常勤で11万1,820円でした。

常勤の場合の平均的な実労働日数は約21.8日、非常勤の場合の平均的な実労働日数は約10日のため、常勤と非常勤との間に発生している給与額の差は実労働日数の違いによるものだとわかります。

アルバイト・登録ヘルパー

アルバイトや登録ヘルパーで給与が時給払いの場合、平均給与は常勤で23万6,910円、非常勤で9万3,960円でした。

常勤の場合、労働時間数が平均として約169時間であるのに対して、非常勤の場合は平均労働時間数が約56時間のため、労働時間数の差が給与額の差になっていると考えられます。

こちらで紹介した平均給与額は、経験や勤続年数によって数字の違いが出てきます。一概にすべての訪問介護職の給与に該当するわけではないことにご留意ください。

給料が増減する要素

訪問介護職では実際にどのようなことに注力すると給料が増えていくのか、具体的な給料の増減要素をご紹介します。

資格を取得

まず、資格の取得が給料を増やす方法として挙げられます。多くの訪問介護施設において、保有する資格の難易度によって資格手当をつけることが多い傾向にあり、上級の資格取得に力を入れると給与のアップが見込めます。

具体的な資格として、実務者研修や介護福祉士といった上級資格が該当しますので、少しの空き時間などを使ってスキルアップを心がけることが重要です。

勤続年数

勤続年数の長さも給与額の増減に関係します。多くの施設において勤続年数が長ければ、年数に応じた昇給が期待できます。勤続年数が長くなると現場の管理職に任命されることもあるでしょう。

訪問介護施設によっては管理職手当もつくことがあるため、特に転職したい理由がなければ地道に勤めることも重要です。

ケアマネージャーを目指す

ケアマネージャーは別名「介護支援専門員」と呼ばれ、介護職の中でも専門的な知識を有した職種です。「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、ケアマネージャーは平成31年と比較して約10,000円も平均給与が増加しています。

また、ケアマネージャーを経て主任介護支援専門員や認定介護支援専門員へのキャリアアップも見込め、さらなる給料アップが望めます。

今後は介護職員の待遇改善の可能性も

現在、少子高齢化が進み介護職員の需要が高まってきていることを受けて、介護職員の待遇改善が叫ばれています。厚生労働省の「令和4年2月7日　第207回　社会保障審議会介護給付費分科会（議事録）」によると、介護職員は現在の物価や光熱費の増加に伴い、さらなる賃上げが求められています。また、令和5年以降も介護職の賃上げ政策は続く見込みです。

上記のとおり、介護職の待遇は改善傾向にありますが、自身でスキルアップを行ったり勤続年数を重ねたりすると、より給料が上がる可能性が高まります。